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月別アーカイブ: 2025年4月

第10回運送業雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社横浜ベイトランスの中西です。

 

さて今回は

第10回運送業雑学講座~育成~

ということで、今回は、なぜ人材が集まらず、なぜ育たないのか? どうすれば物流の現場に人が戻るのか?

 

【物流の未来をつなぐために】

一般貨物運送業における人材育成と人手不足の現実と処方箋

今、業界全体で深刻化している問題、それは「人手不足」と「人材育成の停滞」です。
ベテランドライバーの高齢化、若年層の減少、2024年問題(※)による労働時間規制など、多くの要因が絡み合い、物流の現場はかつてない転換期を迎えています。

※2024年問題:働き方改革関連法の適用により、運送業界でも年間時間外労働960時間の上限が設けられたこと。


運送業界の人手不足、その背景とは?


❶ ドライバーの高齢化と若手の不在

  • 国交省の統計によれば、トラック運転手の平均年齢は49.5歳超(2023年時点)

  • 29歳以下のドライバーは全体のわずか10%前後とされ、若手の新規参入が極めて少ない

📉 「あと10年で半数が引退」とも言われる中、次世代のドライバー不足は待ったなしです。


❷ 労働時間の制限=輸送力の減少

  • 2024年からの時間外労働規制で、1人当たりの輸送量が減少

  • 長距離便の手当カットなどで、収入面でも不安定さが増加

💬「稼げない仕事」になりつつあるという印象が、さらなる人手離れを招いています。


❸ 3K(きつい・危険・帰れない)のイメージ

  • 長時間運転・荷積み荷下ろしの重労働・不規則な生活

  • 拘束時間に対して賃金が見合わないと感じる若者が多い

📌「運送=ブラック」というネガティブイメージの払拭ができていないのが現実です。


なぜ人が育たないのか?育成の“見えない壁”


❌ OJT一辺倒の教育体制

  • ベテランドライバーが「見て覚えろ」型の指導

  • 教える人も忙しく、育成に十分な時間をかけられない

👉 結果:新人が自信を持てず、3か月以内に離職するケースが多発


❌ 成長が“見えにくい”構造

  • 「どうなれば一人前なのか」が不明確

  • 頑張っても評価されにくく、昇給・役職が曖昧

📋 成長と報酬が連動していないことが、若手のモチベーション低下につながっています。


❌ 安全教育が属人的

  • 法令遵守や事故防止の教育が、マニュアルに頼らず感覚任せ

  • 高速走行・夜間運転・積載バランスなど、命に関わる技能が標準化されていない

🚧 安全こそ最重要な価値観であるべきなのに、教育が“運任せ”になっているケースもあります。


人材育成と定着率を上げるための5つの戦略


✅ ① ステップアップ式のスキルマップ導入

  • 「初級→中級→上級→指導員」などの段階を明確化

  • 配送ルートの複雑さ/扱う荷物の種類/時間管理能力などでレベル設定

  • 各段階での到達目標・評価基準・資格支援を連動

📈 成長が“見える化”されることで、やりがいと昇給が直結します。


✅ ② 動画・シミュレーターによる新人研修

  • 点呼の流れ・車両点検・積み込み手順・安全確認などを動画で視覚化

  • 実技前にシミュレーション訓練を行うことで、恐怖心・不安感の軽減

📱 若い世代は“動画世代”。「動画マニュアル」「チェックリスト付きPDF」は特に効果的です。


✅ ③ 教える人=“育成担当者”を育てる

  • 経験者=教育が得意とは限りません

  • 「伝える技術」「傾聴する姿勢」「フィードバックの仕方」などの育成研修が必要

👨‍🏫 育てる人材がいなければ、育つ人材も育たないという現実を直視することが重要です。


✅ ④ 働きやすさの改善(物理的・心理的)

  • 固定ルート/週休2日制/有給取得推進

  • 健康診断・メンタルケア・運転時間の記録アプリ導入

  • 女性ドライバー向けトイレ・更衣室環境整備

💡「安心して働ける職場」こそが、長く働きたくなる職場です。


✅ ⑤ 若手・未経験者向けの広報と魅力発信

  • SNSや動画での職場紹介・先輩インタビュー・1日の流れ紹介

  • 「人を運ぶ」ではなく、「社会を動かす重要な仕事」としての価値訴求

🎥 実際に社内での雰囲気や仕事ぶりをリアルに見せるコンテンツは、採用に直結します。


人手不足時代でも選ばれる運送会社とは?


項目 ポイント
給与 安定+成果に応じた評価制度
休日 週休2日、有休取得推奨、連休取得OK
教育 スキルマップ・動画研修・社内研修
働き方 固定ルート/日帰り便中心/深夜なしも選択可
雰囲気 感謝・尊重・チームワークのある職場文化

🚚 待遇だけでなく「人間関係と文化」こそが、長く働く理由になる時代です。


人が育つことで、“運べる未来”がつながっていく

一般貨物運送業の最大の資産、それは人材です。
車両が増えても、AIが進化しても、“人が育たなければ運べない”という現実は変わりません。

  • 育成を「コスト」ではなく「投資」と捉える

  • 育てる人も、育つ人も大切にする

  • 現場の声を反映した仕組みをつくる

 

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第9回運送業雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社横浜ベイトランスの中西です。

 

さて今回は

第9回運送業雑学講座~確認事項~

ということで、私たちが日々の業務で重視している「コンテナ輸送における事前確認事項10選」を、分かりやすく・実務に即して解説していきます!

 

【コンテナ輸送の安全と効率は“事前確認”で決まる】

積載・輸送・納品トラブルを防ぐための10のチェックポイント

近年、物流のグローバル化・EC化によりコンテナ輸送のニーズは増加していますが、それに比例して現場では積載ミス・納品遅延・通関トラブル・安全事故といった課題も増えています。

これらの多くは、「出発前に正しく確認していれば防げた問題」です。


コンテナ輸送とは?その特徴とリスク


■ コンテナ輸送の主な特徴

  • 海上コンテナ(20フィート/40フィート/ハイキューブなど)を利用し、大量貨物を一括輸送できる

  • 積替えが少ないため、梱包の簡素化・コスト削減が可能

  • 海運+陸送の複合一貫輸送に強い

📦 一方で、特殊な取り扱いや輸送条件が必要になるため、一般的なトラック輸送と違い「事前確認」の重要性が増します。


コンテナ輸送の事前確認事項《10のチェックポイント》


✅ ① 輸送するコンテナの種類・サイズ・重量の確認

  • 20ft/40ft/40ft HC(High Cube)など

  • ドライコンテナか?リーファー(冷蔵)か?オープントップか?

  • 積載総重量(車両総重量+荷重)が道路法に適合しているか?

🧮 最大積載量をオーバーすると、法令違反・罰則の対象になります。重量はkg単位で要確認。


✅ ② 積載内容(貨物の種類・積み方)の確認

  • 危険物・食品・精密機器・植物など、輸送に特別条件が必要なものはないか?

  • 荷崩れしやすい貨物のラッシング・バンド掛けは万全か?

  • コンテナ内の貨物の配置図・積載計画書があるか?

📦 バランスの悪い積載は、走行中の事故や荷崩れによる損傷リスクが高まります。


✅ ③ 積み地・荷降ろし地の場所・条件の確認

  • 大型車が進入可能な道路幅・高さ制限はないか?

  • コンテナシャーシの切り離し可否/リフト等の荷役設備の有無

  • 時間帯指定・ゲート受付方法(特に港湾・物流施設)

📍「入れない」「待たされた」「戻された」を防ぐために、Googleマップ+事前電話確認が基本です。


✅ ④ 荷役責任区分の明確化(誰が積む?誰が降ろす?)

  • 自社 or 荷主 or サードパーティーのどこがバン詰め/デバン作業(積み降ろし)を行うのか?

  • 作業中の事故や破損の責任範囲は?

  • 荷役補助員の手配が必要か?

🤝 トラブル回避にはインコタームズ・作業契約の明確化が有効です。


✅ ⑤ 書類関係(通関書類・搬送指示書)の確認

  • 積荷目録(パッキングリスト)/B/L(船荷証券)/インボイスの用意

  • 運送依頼書(Delivery Instruction)と指定の記載内容の確認

  • 通関手続き済みか?税関許可は降りているか?

📝 書類の不備で搬出が遅れると、デマレージ(超過料金)が発生することもあります。


✅ ⑥ 通行許可・届け出の確認(特殊車両通行許可)

  • コンテナシャーシの全長・高さが特殊車両に該当する場合

  • 通行ルート・時間・道路管理者の許可取得が必要

  • 定期通行許可の有効期限確認

🚛 特に20ftでも積載量オーバーで“特殊扱い”になるケースあり。許可証の携帯が義務付けられています。


✅ ⑦ 搬送スケジュールとタイムウィンドウの確認

  • 港湾側の搬出期限(フリータイム)を過ぎていないか?

  • 配送先の納品時間枠に間に合うか?(午前中/16時厳守など)

  • 渋滞や天候の影響を想定した余裕のある計画か?

📆 コンテナ輸送は「遅れ」が数万円単位のコストや信頼低下に直結します。


✅ ⑧ コンテナの状態チェック(損傷・清掃・密閉性)

  • コンテナの外観(ヘコミ・サビ・破損)チェック

  • 内部の汚れ・臭い・水漏れ・密閉状態確認

  • 必要に応じて写真記録・検品チェックリストの作成

🔍「もともと壊れていた」と言われないよう、搬出前の証拠記録は必須です。


✅ ⑨ 輸送時の天候・道路状況の確認

  • 台風・積雪・強風などで通行止め・フェリー欠航の可能性がないか?

  • 高速道路の規制情報・通行止め区間の有無

  • 海上輸送の遅延情報(ポート・オーソリティの発表等)

🌦️ コンテナは大きく風の影響を受けるため、横転リスクにも注意が必要です。


✅ ⑩ 緊急時の連絡・対応フローの確認

  • 輸送中の事故・遅延・荷崩れが発生した際の連絡先と対応手順

  • 積荷保険(運送保険/貨物保険)の有無と範囲

  • 荷主・元請けとの緊急連絡ルート(電話/LINE/専用アプリ)

🚨 緊急時の混乱を防ぐには、あらかじめ「もしも」の段取りを作っておくことが必須です。


確認を徹底することが、信頼と安全の第一歩

コンテナ輸送は、高効率な一括輸送の手段である一方、
「積載量・輸送経路・港湾スケジュール・輸送機器」など、確認すべき要素が多岐に渡る高度な業務です。

それだけに、1つの見落としが数十万円規模の損失や納期遅延につながることもあります。


事前確認=トラブル予防+現場の信頼構築

最後に、コンテナ輸送の確認事項を再確認しましょう

🔹 コンテナの種類・重量・内容物の確認
🔹 積み地・荷下ろし地の条件と荷役責任の明確化
🔹 搬送スケジュールと港湾手続きの確認
🔹 特殊車両許可・安全対策・緊急対応体制の整備

これらをチェックリスト化・共有化・標準化することで、
トラブルゼロ・コスト削減・顧客信頼の獲得が実現できます。

 

株式会社横浜ベイトランスでは、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

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